Google口コミ
ステマ規制で変わる口コミ集客|景品表示法の違反事例3選から学ぶ注意点とは?

あなたは、ネットショッピングやサービス選びの際、「口コミ」を参考にすることはありませんか?
たとえば、Googleマップでレストランの評価を確認したり、通販サイトで商品のレビューをじっくり読んだり・・・。
そんな私たちの行動につけこんで、「ステルスマーケティング(ステマ)」が行われているケースが増えているのをご存知でしょうか。
とくにGoogle口コミは誰でも投稿できる手軽さから、やらせ口コミや不正レビューの温床になりやすい側面も。
そして2023年10月から、日本ではステマが景品表示法の「不当表示」として規制対象となりました(消費者庁公式発表)【参照元:消費者庁公式資料、ステルスマーケティング規制ページ】。
知らなかったでは済まされない時代に突入した今、企業も個人事業主も口コミマーケティングのやり方を見直す必要があります。
この記事では、
- ステマとは何か?
- 口コミ投稿がどこまでOKで、どこから違法?
- Google口コミで注意すべきポイント
- 景品表示法の改正
- 実際に抵触した事例
- 今後の対策
といった視点から分かりやすく解説していきます。
ぜひ最後まで読んで、正しい知識を身につけていきましょう!
INDEX
口コミとステマの違いとは?
基本的なことだと思いますが、改めて用語をしっかりと整理しておきましょう。
「口コミ」とは
「口コミ」とは、一般の消費者が実体験にもとづいて自由意志で発信する情報を指します。
- 購入した化粧品がよかったとSNSに投稿
- 行ったレストランの感想をGoogle口コミに投稿
ポイントは、広告主や事業者から対価(報酬や商品提供など)を受け取っていない純粋な投稿であることです。
「ステルスマーケティング(ステマ)」とは
「ステマ」とは、広告や宣伝であることを隠して消費者に宣伝行為を行わせたり、行うことを指します。
- 企業から金銭提供を受けたインフルエンサーが「広告」であることを伏せて商品を紹介
- 店舗から割引や無料サービスと引き換えにポジティブな口コミを書かせる
このような「一般消費者のふりをした広告行為」がステマの特徴です。
口コミに関する法律規制の背景
なぜステマが問題視されてきたのか?
- 消費者は「口コミ=他のユーザーの本音」と信じやすい
- ステマによって、消費者の合理的な選択を誤らせるリスクが高まる
- 特に近年、ネット・SNSの普及で影響力が非常に大きくなっている
そのため、消費者の信頼を守るために、ステルスマーケティングへの規制が強まってきました。
景品表示法による規制強化
こうした背景を受け、日本では景品表示法によりステマが規制対象となりました(2023年10月施行)。
こちらは消費者庁が発行出している公式文章です。企業の口コミコンサルティングを行う弊社も、よく読み参考にしています。
【参考】消費者庁公式資料:景品表示法に基づく不当表示規制の概要(PDF)
ステルスマーケティング規制ページ
消費者庁のステルスマーケティング規制とは
何が「違法ステマ」になるのか?
消費者庁は以下のような行為を不当表示(違法)としています。
- 事業者が第三者(インフルエンサー、一般ユーザー)に対価を提供して口コミ投稿させ、広告・PR表記を怠る
- 自社や関係者が偽装アカウントで投稿する
- Google口コミにおいて、金銭やサービス提供と引き換えに高評価レビューを書かせる
違反したら罰則は?
違反が認められた場合、措置命令(広告削除や再発防止命令)が出されます。違反が重大な場合、課徴金(売上額の最大3%)が科されるケースも。
Google口コミにおける注意点
ガイドラインでも禁止行為に明記
Google投稿コンテンツポリシー でも明記されていますが、次のような行為は禁止されています。
- 報酬や金銭提供を受けた口コミ投稿
- 偽レビューの投稿
- 同一人物による複数アカウントでの投稿
ありがちなNG例
- 店舗が「口コミ投稿でドリンク無料」キャンペーン → 報酬性が生じるためNG
- 代理店に依頼して架空のポジティブレビューを一括投稿 → 明確な違反行為
悪気はなくやっている店舗も多いですが、実はルールに抵触する行為なのです。
口コミステマ違法になった事例
chocoZap(チョコザップ)のステマ抵触事例
小規模無人ジム「chocoZAP(チョコザップ)」のサービスを展開する「RIZAP(ライザップ)」に対し、2024年8月8日に消費者庁は再発防止などを求める措置命令を出しました。
参考記事:ライザップに措置命令 チョコザップで不当表示―消費者庁
これは「チョコザップ」に関する広告が問題となっていました。具体的には、インフルエンサーの投稿を自社サイトに転載する際に「広告」や「PR」といった明示がなく、消費者に第三者の体験談と誤認させる表示をしたことが景品表示法違反とされました。いわゆるステマ広告です。
また、「24時間使い放題」と書かれているが、実際は異なる点も問題とされました。過大PRですね。
振り切りすぎている過度なLPなどは、最近注意した方がよさそうです。
ロート製薬のステマ抵触事例
消費者モニターにInstagram投稿させ、その一部を「広告」と明記せず自社サイトに転載。ステルスマーケティングと判断され、消費者庁から再発防止措置命令が出されました。
このような広告と知らせないでシレっと自然な投稿のように見せる”隠れ広告”はよく目にします。アフィリエイトリンクの広告報酬で設けるアフィリエイターも、ブログにPRと記載しなければならなくなり、時代が変わりつつあります。
医療法人社団スマイルスクエアのステマ抵触事例
2025年3月18日に消費者庁から公表された事例です。公式ポストはこちら。
Google口コミで★5投稿をした場合、5000円のクオカード進呈、もしくは矯正治療費から5,000円の値引きを行なっていたとのことです。
Google口コミの恣意的な誘導を行っていた、ことが景品表示法(ステルスマーケティング防止法)に抵触し、国から措置命令が下さた、やらせ口コミの定型的な事例です。
・医療法人社団スマイルスクエアに対する景品表示法に基づく措置命令について【消費者庁公式サイト】
https://www.caa.go.jp/notice/entry/041364/
以前はRIZAP社が運営するチョコザップが措置命令を下されていましたが、今回のクリニックのように中堅規模の地域の店舗でも対象になりうることが分かった事例でもあります。
法律違反になりやすいパターン
わかりやすく以下にまとめました。
パターン | 違法性の有無 |
無報酬で顧客に口コミをお願い | OK(自発的投稿なら問題なし) |
報酬・特典ありで口コミ依頼 | NG(ステマ該当) |
関係者による自作自演口コミ | NG(虚偽表示) |
企業・店舗が取るべきステマ対策
上述の違反事例を教訓として、口コミ依頼時が特に注意が必要です。口コミで特典を提供する際は、改めて下記ポイントを守っていただくのが良いです。
【気を付けるポイント】
・口コミ依頼時に透明性を確保することが大切です。
NG例
❌「口コミを書いてくれたらクオカード500円分プレゼント!」
❌「Googleで★5のレビューを書いたら、500円分の特典をお渡しします!」
OK例
✔️ 「お客様の率直なご意見をお聞かせください。レビューを投稿いただいた方に、感謝の気持ちとしてクオカードをお渡しします。」
✔️ 「ご投稿いただいたレビューの内容に関係なく、クオカードをお渡ししています。」
ポイントは、
- 「投稿の内容には関与しません」と明示する
- 能動的に依頼はしつつも、あくまでも「自由な口コミ投稿のお願い」にとどめる
- 「良い評価をつけると特典がもらえる」と誤解を与えない文言にする
また社内ポリシーでも
- 口コミ依頼は広告表記を徹底
- レビューの買収は禁止
- 社内関係者・取引先の自作自演禁止
といったことを徹底するの良いです。経営者の旗振りが、違反に抵触するかどうかに重要になってくると言えるでしょう。
怪しい業者にも注意しましょう
最近業界で横行しているサービスの中に、低評価口コミを恣意的にブロックして高評価のみGoogleに反映させるシステム、いわゆるレビューゲーティングシステムというものがあります。
このようなシステムはただでさえGoogleガイドライン違反にあたりますし、バレたときには口コミが大量削除されるリスクもあるので注意です。
また「口コミ代行サービス」などグレーな業者も増えているので注意しましょう。基本的にbotアカウントで大量投稿されて、アカウントがスパム判定されるのがオチです。
まとめ:国のルールにも細心の注意を払い、口コミを集めましょう
今の時代、口コミは非常に重要なマーケティング資産です。
だからこそ、不正なステマ行為に頼るのではなく、本当に喜んだ顧客の声を正しく活かす姿勢が求められます。
- 消費者庁の規制内容を理解
- Google口コミのガイドラインを遵守
- 社内・社外で透明性の高い運用を徹底
こうした基本を守れば、信頼性の高い口コミによるファンづくりにつながるはずです。
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